車検・点検法定点検

法定点検の基本情報

法定点検とは、車検とは別に法律で義務付けられている点検です。
国の認証を受けた整備工場などでしか行うことができない、専門的な点検整備を行うことで車の故障やトラブルなどを発見し、重大な事故を未然に防ぐことを目的としています。

法律で定められてはいるものの、受けなかった場合の罰則規定はありません。そのため、法定点検をせず車検のみで済ませるドライバーもいるようですが、法定点検を行わずに車の故障を原因とした事故等が発生した場合は、罰せられることも少なくありません。ドライバーの義務として、法定点検は忘れずに行いましょう。

法定点検の種類

自家用車の場合

種類 所要時間(目安) 費用(目安)
12ヶ月点検 1〜3時間程度 1〜3万円程度
24ヶ月点検 1〜2日程度 8万~12万円程度
(車検を含む)

業者に依頼する場合、一般的には車検と24ヶ月点検を同時に行います。
時間と費用は、依頼する業者や車種、時期によって異なります。上記はあくまでも目安の数字ですので、点検を行う際には複数社に見積もりを依頼し、比較検討されることをお勧めします。

商用車の場合 3ヶ月点検及、6ヶ月点検
貨物自動車の場合 3ヶ月点検及、6ヶ月点検

法定点検と車検の違い

車検は、公道を走るために車の状態が保安基準に適合しているかを検査する制度であり、次の車検まで安全性を保つための点検ではありません。一方で法定点検は、故障や不具合の早期発見はもちろん、事故やトラブルの予防整備として、車の安全性を高めることを目的としています。

①メーカー保証が受けられる

新車から一定期間はメーカー保証の対象ですが、点検を受けないと保障が切れてしまうことがあります。点検を受けている場合、点検項目に該当する箇所の不具合や故障が起きた時にはメーカー保証の対象となります。

②売却時の査定評価が上がりやすい

売却時の査定評価が上がりやすい

点検内容

法定12ヶ月点検項目

かじ取り装置
1パワーステアリングベルトの緩み及び損傷
制動装置
2パワーステアリングベルトの緩み及び損傷
3ブレーキペダル・ブレーキの効き具合
4パーキングブレーキの引きしろ・踏みしろ
5パーキングブレーキレバー、パーキングブレーキの効き具合
6ブレーキ・ホース、パイプ漏れ、損傷、取付状態
7ブレーキのマスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ及びディスク・キャリパの液漏れ
8ブレーキ・ドラムとライニングとの隙間
9ブレーキ・シューの摺(しゅう)動部分及びライニングの摩耗
10ブレーキ・ディスクとパッドとの隙間
11ブレーキ・パッドの摩耗
走行装置
12タイヤの空気圧、亀裂、損傷、溝の深さ、異常摩耗、スペアタイアの空気圧
13ホイール・ナット及びホイール・ボルトの緩み
動力伝達装置
14クラッチ・ペダル遊び、切れた時の床板との隙間(MT車のみ)
15トランスミッション、トランスファの油漏れ及び油量
16プロペラ・シャフト、ドライブ・シャフトの連結部の緩み
電気装置
17スパークプラグの状態
18点火時期
19ディストリビューターのキャップの状態
20バッテリーターミナル部の緩み、腐食
原動機
21排気ガスの色、CO、HCの濃度
22エアクリーナーエレメントの汚れ・詰まり
23エンジンオイル漏れ
24ファン・ベルトの緩み、損傷
25冷却水の漏れ
エグゾースト・パイプ及びマフラ
26エグゾースト・パイプ、マフラ取付けの緩み及び損傷

法定点検では、エンジンオイル漏れ、ナット・ボルトの緩み、排気ガスの色や濃度、ベルトの緩みや損傷など26項目をチェックし、整備します。

車検では、法定点検の26項目に緩衝装置、ガス発散防止装置といった装置や車体などが増え、合計52項目となります。

法定点検はプロの整備士に任せましょう

法定点検を受けることで、愛車の健康状態を正確に把握できます。外見からは気づくことのできない変化も多いので、自分の感覚に頼らず、もしもの時に備えてプロの整備士に点検を依頼し、安心・安全なカーライフを送りましょう。

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